これまで、エネルギーラベルのための測定は空の掃除機用バッグを見落としていました。掃除機用バッグなしの掃除機の製造業者、ダイソン社は、ルクセンブルクのEU裁判所に異議を申し立てる訴訟を起こしました(ダイソン判決 - ケースT-544/13 RENV)。欧州委員会には、EU規制を維持することができるよう、この判決に対する上訴をするまでに2カ月が与えられていました。しかし上訴はされなかったため、判決は法的に有効となりました。
そのため、EU規制(EU)665/2013は無効です。掃除機メーカーにとっては大きな変化や努力と関連しています。というのも、現在まで製造されている掃除機も、もはやラベルを付けてはならないからです。同様に、すでに市場に出ている掃除機は、エネルギーラベルを取り除くか上から覆い隠さなければなりません。さもなければ、UWGに準拠した警告が民間機関によって脅かされたり、EnVKVに基づいて権限のある市場監視当局によって罰金を科されることになります。購入状況のプロセスにおいて、目に見えないラベル、例えば 包装し直した内側などのみならばそのままでも許容されます。
VDE研究所は、適切な試験を通して、エネルギーラベル取得の際に製造元をサポートします。エネルギーラベルが重要なのは、製造元や小売業者だけではありません。消費者も、購入の際にはカラー帯によって情報を得ます。環境を保護し、電気代を削減することは、多くの人にとってエネルギー効率が非常に良い掃除機を買う十分な理由になります。「現在、エネルギー効率の明確な指標はありません。とても残念に思っています」と、VDE研究所の経営管理委員会のメンバーであるスヴェン・エールケは言います。このため、VDE研究所の技術専門家は、信頼性が高い消費者関連の試験手順を再開発するために、さまざまな標準化委員会に積極的に参加し、試験の実践から得た知識を用いてサポートしています。
しかし、エネルギーラベルは掃除機購入においてすべてではありません。使いやすさと電気の安全性が、購入決定において特に重要な役割を果たします。「当社は掃除機メーカーに、エネルギーラベルに関係なく、自社製品のその他のセールスポイントのためにも、サービスの包括的ポートフォリオを提供し続けています」とエールケは話します。「当社のVDEマークは、最高レベルの安全性を表し、VDE品質試験ラベルによって、消費者は一目で電気掃除機がどんな特徴を持っているか判断することが可能です」。
欧州委員会は現在、掃除機のエネルギーラベル規制への変更を直前で採用できるかどうかを検討しています。この場合は、1年以内に新しいエネルギーラベルが登場する可能性があります。規制の変更がされない場合、掃除機用の新しいエネルギーラベルを導入するには少なくともさらに2年かかります。